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リア向け。

Latexで書いた英文をWordで文法チェックする (Pandoc篇)

Latexはプレーンテキストで書けて、数式も簡単に書けて、構造も把握しやすく、Windows/Mac/Linuxと環境を選ばず、無料で使えて、仕上がりも綺麗という便利ツールですが、Wordと違いスペルチェックと文章校正という機能がありません。

英文チェックだけはWordを使いたいってことで、rtfやhtmlに一度変換して、rtf/htmlからWordに変換するという方法が
spatiohack: LaTeX原稿のスペルチェック
Maraigue風。:LaTeXで書いた文章をWordでスペルチェックする - TeX4htを使う方法
などで紹介されています。

pdfファイルにしたものをhtmlに変換して、同じようにhtmlからwordに変換するという方法もあります。
pdf4htmlEX coolwanglu/pdf2htmlEX · GitHub
というツールが非常に再現度が高いのですが、出力されるhtmlは若干トリッキーです。というか理解できん。。一応ブラウザでhtmlを表示させてテキストをWordにコピペすることは可能でした。

その他にもWordを使わずLatexソースファイルのままチェックする方法として
Aspell - TeX Wiki
もあります。しかしグラマーチェックはしてくれないので、最終的にはWordに頼る人も多いはず。また、複数の英文チェッカーを使いたいという方もいると思います。

Webサービスとして使える英文チェッカーには
Ginger 英文チェッカー
1Checker - Proofreading, Grammar Check, and Smart Enrichment
なんてものがありますが、この場合もLatexソースだとLatexコマンドが邪魔になるので、やはりWordファイルに変換してから使いたいところです。

前置詞とか単語の使い方の使用方法が不安だという箇所がわかっているなら、文法チェッカーを使わずに使用例を探してみるのがいいです。共起表現検索ができるWebサービスが便利です。
WebLSD検索語入力
英語共起表現 - Weblio辞書
Incremental PubMed/MEDLINE Expression Search: inMeXes
昔はNativeCheckerというサイトもあったのですが、残念ながら使えなくなりましたね。

単純に人に聞いてみるというのもいいです。Twitterで答えてくれる人を確保しておくとか、英語の得意な先生や同僚に聞くとか。Lang-8という外国語でブログを書くと、添削してもらえるサイトもあります。
Multi-lingual language learning and language exchange | Lang-8: For learning foreign languages
Lang-8を使う場合は、日本語を勉強中の方の投稿を見たら逆に添削してあげましょう。


話を戻します。Latexで書いた英文をWordでチェックするにはLatexソースファイルをdocx形式にする必要があります。もちろん上で紹介したrtf/html/pdfを経由して変換する方法もあります。しかし、直接Latexソースファイルからdocx形式に変換するツールがあります。
Pandoc - About pandoc
Pandoc ユーザーズガイド 日本語版 - Japanese Pandoc User's Association

このPandocというツール、様々な形式の変換をサポートしていてLatexからdocx形式にも変換できます。インストール方法はこちらがわかりやすい。
HTML - 多様なフォーマットに対応!ドキュメント変換ツールPandocを知ろう - Qiita

Pandocをインストールしたら、次のコマンドでLatexからWord形式に変換できます。

$ pandoc document.tex -s -o document.docx

これでWord形式のファイルができました。あとはWordのスペルチェッカーを使うだけですね。ただし、Latexのeqnarrayやalign環境で書いた数式は正しく再現してくれないようです。$$で書いた文中の数式は変換できていました。eqnarray/align内の英文をチェックして欲しいという人はいないので、問題ないでしょう。

Latexで書いた文ををスペルチェックする方法としてオススメな選択肢の1つです。Latexが嫌になってしまった人にもMarkdownやreStructuredTextで書いてLatexに変換させることができるのでぜひ試して欲しいですね。